トラッキングストックの仕組みとメリット

トラッキングストックの仕組みとメリット

ある企業の特定の事業部門や子会社が著しく良い業績を上げていたとします。しかし肝心の親会社の方の業績が低迷していると、企業全体の評価は低いものになり、せっかく業績を上げている事業部にまで悪いレッテルを貼られかねません。
そこで考えだされたのがトラッキングストック(事業部門株)と呼ばれるものです。

トラッキングストックとは株式の価値が特定の事業部や子会社の業績と連動するシステムです。
このシステムのメリットは、親会社にとっては会社を分割せずに、つまり支配関係は維持したまま資金調達ができ、一方、事業部・子会社にとっても業績に見合った正当な評価を受けることができる点が上げられます。また投資家から見た場合、業績の良い特定の事業部・子会社に限定して投資できるので親会社のリスクを背負い込まないで済みます。

このトラッキングストックは米国で1984年にゼネラル・モーターズがEDSと言う情報処理サービスの買収に伴い発行したのが始まりですが、日本でも2001年6月にソニーがソニーコミュニケーションネットワーク(現在のソネット・エンタテイメント)に対してトラッキングストックを発行したことで一躍話題になりました。

その後同年12月の商法改正で種類株式制度が整備され、発行が容易にできるようになりましたが、日本においては米国におけるトラッキングストック程には広まっていません。
その原因はいくつかありますが、最も大きな理由として投資家にとって配当の仕組みが通常の株取引に比べて複雑でわかりにくいことなどが上げられます。


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